骨組織の細胞|骨芽細胞・破骨細胞・前骨芽細胞・ヴォルフの法則
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骨細胞は、不安定細胞に分類されるほどターンオーバーが頻繁な細胞です。
実際に、骨芽細胞の破骨細胞が骨形成と骨吸収を頻繁に行うことで、骨は常に環境に適して強度や構造を変わります。
こういった骨の適応能力は、骨に関わる細胞の働きが関係してきます。
という訳で今回は、
骨組織に関する細胞とその働きについて解説していきます!
骨組織に関係する細胞
骨組織に関係する細胞には以下の4種類があります。
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前骨芽細胞
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骨芽細胞
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骨細胞
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破骨細胞
前骨芽細胞
前骨芽細胞は、名前の通り骨芽細胞の前駆細胞です。
間葉細胞とも呼べ、前骨芽細胞が分化することで骨芽細胞が増殖します。
つまり、前骨芽細胞の分化が促進すると骨芽細胞が増加し、骨芽細胞による骨形成が促進されることになります。
前骨芽細胞は、骨膜や骨内膜に存在します。
骨膜や骨内膜に刺激が加わると前骨芽細胞にも刺激が入り、骨芽細胞の増加→骨形成の活性化というプロセスが進みます。
骨芽細胞
骨芽細胞は、骨形成を行う細胞です。
具体的には、コラーゲン線維の合成とコラーゲン線維を石灰化することによって骨形成を行なっています。
骨芽細胞は、アンドロゲンとエストロゲンの受容体があります。
そのため、閉経後の女性ではエストロゲンの分泌が低下し、骨形成が弱まります。
これによって、閉経後の女性では骨粗鬆症のリスクが高まります。
骨細胞
骨細胞は、骨単位内の骨小腔に存在し、骨組織の状態管理を行う役割を担っています。
骨組織は、骨細管という通路を通して連絡しあっており、これによって付近の骨組織の状態を管理しています。
これによって骨のリモデリングを管理しています。
破骨細胞
破骨細胞は、骨芽細胞と対抗して骨の破壊、つまり骨吸収を行なっています。
具体的には、骨組織の脱ミネラル化によって非骨化を行なっています。
破骨細胞は、名前からネガティブなイメージを抱きがちですが、破骨細胞が骨吸収を行うことで、骨芽細胞は新たな骨形成を行うことができます。
ヴォルフの法則(Wolff’s low)
骨芽細胞と破骨細胞が頻繁に骨をリモデリングすることは、骨組織が負荷の変化に適応するための重要なメカニズムです。
環境などが変わり骨組織にかかる負荷の強度や方向が変わると、骨組織は負荷に対応して構造や強度を変化させることができます。
この骨組織が負荷の強度や質によって対応していく法則を、ヴォルフの法則と言います。
これは、破骨細胞が骨吸収を行い、骨芽細胞が必要な部位に必要な構造を新たに作ることによって起こります。
まとめ
以上が、骨組織に関係する細胞とその役割でした。
次回は、骨組織の血液供給について解説していきます!