コンプレッションウェアが疲労軽減に働くメカニズムとは
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cgコンプレッションウェアは近年、プロフェッショナルなレベルからアマチュアレベルまで利用され、コンプレッションウェアが疲労を軽減させることは良く知られています。
コンプレッションウェアの効果は実はまだ研究段階であり、
- どれぐらい効果があるのか
- どれぐらいの着圧がいいのか
- 部分的なもの(腕のみ、脚のみなど)は効果があるのか
などなど、研究が進められています。
これらの研究によってコンプレッションウェアは現在日々進化しており、将来的に高い効果があるウェアが完成るすることも期待できます。
そんなコンプレッションウェアですが、なぜ身体を圧迫すると疲労軽減に効果的だと言われているかご存知でしょうか?
今回は、コンプレッションウェアが疲労軽減に働くメカニズムについて説明していきます。
筋ポンプ作用を補助して血流を増加
コンプレッションウェアが出始めた時から言われているコンプレッションウェアの効果が筋ポンプ作用の補助して血流量を増加させることです。
筋ポンプ作用とは
まず、筋ポンプ作用は何かという話からしていきます。
血液が心臓によってポンプのように全身に送り出されているのはご存知かと思います。
しかし、手先からつま先まで流れる血液が、たった一つの心臓のポンプの力で心臓に帰ってきている訳ではありません。じつは、筋肉もポンプの作用を少し担っています。
(下肢静脈瘤広報センターより引用)
日常生活の中でちょっと筋肉が収縮すると血管は押し潰され、その圧力によってポンプされ、血流が促進されます。このポンプは主に静脈でおこるのですが、弁によって逆流が防がれ心臓側に血液が返っていくという仕組みになっています。
これを筋ポンプ作用といいます。
筋ポンプ作用に働くメカニズム
では、なぜコンプレッションウェアが、この筋ポンプ作用に作用するのか。
それは筋肉が収縮し血管に掛かる圧力が、外に逃げてしまうのを防ぐからです。
(下肢静脈瘤広報センターより修正)
筋肉は筋膜や皮膚が覆っていますが、その圧力はそれほど高くなく、筋ポンプ作用の圧力は幾分か外に逃げて行ってしまいます。
この分をコンプレッションウェアを着ることで中に閉じ込め、より内側への圧力を高めることが出来ます。
これがコンプレッションウェアが筋ポンプ作用を補助すると考えられているメカニズムです。
筋肉のブレを抑え、エネルギーのロスを軽減
コンプレッションウェアが筋ポンプ作用を補助することは、研究当初から言われてきていました。
しかし近年、新たにコンプレッションウェアの作用として挙げられるようになってきたメカニズムが、筋肉のブレを抑える作用です。
運動中の衝撃で筋肉がブレる
運動を行う中で衝撃が加わると筋肉はブレます。
特にランニングなどの着地動作が筋肉のブレが良く生じるシチュエーションに挙げられます。
「シューズの有無による足にかかる衝撃の比較」のスローモーション映像
動画のように、着地すると腓腹筋・ヒラメ筋が左右にブレているのが分かると思います。
この動画はふくらはぎに着目した物ですが、ハムストリングスや大腿四頭筋も大きくブレます。
これらの筋肉のブレが疲労の一原因になっていると言われています。
筋肉がブレると疲労が生まれる
なぜ、筋肉がブレると疲労が生じるのか。着地時の話を例に説明します。
着地時、ふくらはぎをはじめ、ハムストリングスや大腿四頭筋は収縮しています。
収縮している筋肉は筋長が短くなるように働いている訳ですが、筋肉がブレるということは、逆に筋長を伸ばすように働きます。
つまり、
- 筋肉→筋長を短くしようと働く
- ブレ→筋長を長くしようと働く
と、逆向きの作用が働きます。
その結果、筋肉は着地に必要な力を発揮するために、筋肉のブレを相殺させる分の筋力を余分に必要とすることになります。
これが筋力のロスとなり、疲労の原因になることが近年明らかになってきました。
コンプレッションウェアで筋肉のブレを抑える
この筋肉のブレをコンプレッションウェアが抑えるメカニズムは容易に創造できると思います。
コンプレッションウェアで外側から筋肉を押さえつけることによって、ブレを抑えるという訳です。
しかし、コンプレッションウェアの筋肉のブレに対する効果はまだ研究が開始したばかりで、どれほど筋肉のブレを抑えるのか、また抑えたことでどれほどの疲労軽減効果があるのかは未だ未明です。
コンプレッションウェアは、
- 筋ポンプ作用を補助して、血流を増加させ
- 筋肉のブレを抑えて、筋力のロスを軽減
することで、効果があると現段階では考えられています。
しかし、コンプレッションウェアは今後まだまだ研究の余地が残る部分が多いのが現状です。
逆に言えば、コンプレッションウェアが今後、さらに素晴らしいものになる可能性は十分にあるでしょう。