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二次的炎症段階での「痛み」と「スパズム」|拘縮・癒着

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怪我をすると、炎症反応として、一次的炎症反応二次的炎症反応が起こります。
 
二次的炎症反応では、「痛み」「スパズム」が起こり、これらが治癒段階を阻害する要因となります。
 
というわけで今回は、
二次的炎症反応の「痛み」と「スパズム」の問題について解説して行きます!
 
 
 
 
 

二次的炎症段階の問題

 
二次的炎症反応として、痛みスパズムが起こります。
 
これらは、筋力低下関節可動域制限を起こしし、組織に更なる損傷を加えないようにする役割があります。
しかし、筋力低下と関節可動域制限は拘縮癒着を引き起こす原因になります。
 
つまり、二次的炎症反応に対しては、「拘縮」と「癒着」を防ぐ治療的介入を行うことが重要になります。
 
 

一次的疼痛と二次的疼痛

 
疼痛つまり痛みは、痛みのメカニズムによって「一次的疼痛」「二次的疼痛」に分類することができます。
 
 

一次的疼痛

一次的疼痛は、受傷時に起こる痛みです。
これは、物理的に機械的刺激が損傷部位にかかったことで感じる痛みで、Aδ線維に伝達されます。
その結果、強度が高く鋭い痛みを感じます。
 
 

二次的疼痛

二次的疼痛は、受傷後2~3時間程度経って炎症反応が始まった頃から起こる痛みで、炎症反応によって分泌されるプロスタクランジンによって侵害受容器が過敏化することで生じます。
この状態を、痛覚過敏と言います。
 
プロスタクランジンによって過敏化した侵害受容器は、少しの刺激で痛みを感知する様になります。
これが、炎症が起こっているときに組織に負荷をかけると異常な痛みが生じるメカニズムです。
これは、主にAδ線維に伝達され、鋭い痛みとして感知されます。
 
一方で、炎症によって継続的に鈍い痛みを感じることもあります。
これは、プロスタクランジンによる刺激C線維に伝達されるためで起こる痛みです。
 
 

痛み-スパズム-痛みのサイクル

 
二次的炎症反応で起こる「痛み」と「スパズム」には、互いに促進し合う関係にあります。
 
つまり、
「痛みが起こる→スパズムが起こる→痛みが増大する→スパズムが促進する」
というサイクルが起きます。
 
二次的炎症反応に対するマネジメントでは、痛みまたはスパズムに対するアプローチを行い、この痛み-スパズム-痛みサイクルを止めることが最大の目的になります。
 
 

痛み-スパズム-痛みサイクルのメカニズム

 
炎症によって分泌されるプロスタクランジンは侵害受容器を痛覚過敏状態にするだけではなく、筋紡錘の錘内筋線維を調節するγ運動ニューロンも刺激し、過敏状態にします。
 
通常、錘内筋線維は、筋線維の長さに合わせる様に自身も伸張・収縮する様にγ運動ニューロンにコントロールされています。
これによって、筋線維の過伸張を正確に感知することができる様になっています。
 
しかし、γ運動ニューロンが過敏状態になることによって錘内筋線維が異常収縮し、筋繊維の長さに比べて短くなってしまいます。
 
これによって、(筋線維は過伸張でないにも関わらず)過伸張と感知してしまい、筋線維が異常な筋緊張状態になります。
これがスパズムのメカニズムです。
 
 

まとめ

以上が、二次的炎症反応における問題でした
 
  • 一次的疼痛二次的疼痛があり、
  • 二次的疼痛による痛覚過敏が、痛み-スパズム-痛みのサイクルを引き起こす。
  • 痛みによってγ運動ニューロンが発火促進し、錘内筋線維が異常収縮する。
 
 
以上です!
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