出血と止血のメカニズム|止血栓・血液凝固・血餅代謝
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スポーツをしていると出血は付き物です。
出血によってプレーできなくなるということはあまり多くはないですが、
時には出血が多く、止血が間に合うのかどうかという判断を行わなければならない場合があります。
また、その後に止血と組織修復を促すこともトレーナーの重要な役割となります。
ということで今回は、
出血と止血のメカニズムについて解説していきます。
止血の段階
出血が起こると、体内は止血を行おうとします。
この止血の過程には、一次的止血メカニズムと二次的止血メカニズムに分かれます。
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一次的止血:血管収縮と止血栓形成
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二次的止血:血液凝固と血餅退縮
一次的止血
一次的止血は、出血後数秒後から起こる止血メカニズムです。
一次的止血の中にも、一次的メカニズムと二次的メカニズムがあり、
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一次的メカニズムでは「血管収縮」
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二次的メカニズムでは「一次的止血栓の発達」
がおこります。
一次的止血の一次的メカニズム
出血が起こるとまず、一次的止血の一次的メカニズムとして「血管収縮」が始まります。
これは、数秒〜数分間の間で起こります。
この一次的メカニズムでは以下のような化学物質が働きます。
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マスト細胞から出る「セロトニン」
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血小板から出る「トロボキサン」
一次的止血の二次的メカニズム
次に、一次的止血の二次的メカニズムとして、一次的止血栓が形成されます。
これは、受傷後1~3分間以内に起こります。
この一次的止血栓は、血小板の以下のような作用によって形成されます。
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血小板が血管内皮のコラーゲンと接着する「血小板接着」
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血小板が互いに癒着し合う「血小板凝集」
一次的止血が完了すると、一旦は止血できます。
ですが、血小板が集まっただけなので、すぐにまた出血する可能性があります。
血小板凝集は、体内のADPやマスト細胞から出るトロボキサンによって影響されます。
二次的止血
一次的止血によって一次的止血栓ができると二次的止血が始まり、まず「血液凝固」が起こります。
これは、血小板からのカルシウムなどの「凝固因子」が活性化されることで起こります。
血液凝固のプロセスは、以下の3段階を経ます。
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プロトロンビナーゼを形成
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プロトロンビンからトロンビンへ変換
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溶性フィブリノーゲンから不溶性フィブリンへ変換
血液凝固が完了した後には「血餅退縮」が起こり、
その後は、組織の「修復」の過程によって血管が修復されます。
修復のメカニズムについては以下をどうぞ。
血液凝固のプロセス
二次的止血の第一段階では、プトロロンビナーゼという酵素が生成されます。
このプロトロンビナーゼの触媒によって、次の段階であるプロトロンビンからトロンビンへの変換が活発になります。
トロンビンは、溶性フェブリノーゲンから溶性フィブリンを介して、不溶性フィブリンを生成します。
不溶性フィブリンは不溶性血塊ともいい、血液が固まった状態です。
これによって、血液凝固のプロセスが完了します。
血餅代謝のプロセス
血液凝固が完了した2,3分後には、不溶性フィブリンが収縮する「血餅退縮」が生じます。
これは、不溶性フィブリンと周辺組織をより強固にする反応です。
これによって修復を行うための整った治癒環境を作り上げます。
血小板は、以下のように各過程を進める化学物質を放出します。
- 一次的止血の一次的メカニズムでは、「セロトニン」
- 一次的止血の二次的メカニズムでは、「トロンボキサン」「ADP」
- 二次的止血では、「カルシウム」
血管修復のプロセス
一次的止血と二次的止血の過程が終了すると、代謝的な止血が完了します。
続いて、損傷した血管の治癒が始まります。
これは組織治癒の「修復」の過程で行われ、白血球が炎症消散に働き、線維芽細胞がコラーゲン合成と繊維組織形成を行います。
修復のメカニズムについては以下をどうぞ(2回目ですが。)
出血症状の顕在化
典型的な皮膚細胞などの損傷は、体外への出血によって現れます。
一方で内部の軟部組織などの出血は、
紫班のように皮膚越しに見える場合や、血腫として発赤や発熱のような症状などで現れます。
特に筋組織での血腫は、以下の2種類に分けることができます。
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筋膜に囲まれている「筋内血腫」
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筋膜に囲まれていない「筋間血腫」
筋間血腫では、2,3日で斑状血腫として皮膚越しに見ることができます。
関節の血腫では、関節包内で起こると「関節血症」と呼ばれます。関節の外傷が重症の場合は、関節包外に血液が流出する場合もあります。
まとめ
今回は、出血と止血のメカニズムと出血症状について解説していきました。
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一次的止血の血管収縮
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一次的止血の一次的止血栓
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二次的止血の血液凝固
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二次的止血の血餅退縮
修復のメカニズムについては以下をどうぞ(3回目。笑)