なぜ運動後も息切れするのか?「酸素借とEPOC」を分かりやすく解説
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ランニングなどある程度激しい運動を行うと、息が切れます。
運動をするには、普通にしている時よりもより多くの酸素が必要で、そのためにより多くの空気を吸って、より多くの酸素を吐こうとします。
それが、息切れです。
運動に必要な酸素の量は運動のきつさで決まります。
なので、きつい運動でより多くの酸素が必要になり、激しい息切れが起こります。
逆に運動を止めると、酸素はいつも通りの量でこと足ります。
ですが、息切れは運動を終わえた後にも割と長く続きますよね。
これは何故なのでしょうか。
これには、「EPOC」というものが関係しています。
今回は、そんなEPOCについて解説して行きます。
運動中に必要なエネルギーと酸素の関係
まず最初に、運動中に必要なエネルギーの量はどのように決まるのでしょうか。
また、運動中に必要な酸素の量はどのように決まっていくのでしょうか。
そこから解説していきます。
運動に必要な酸素の量
運動に必要な酸素の量は運動の強度で決まります。
例えば、普通のスピードでランニングをした時に100の酸素が必要だったとすると、
その80%のスピードなら必要な酸素は80ですみ、
逆に、120%のスピードで走った時には120の酸素が必要になります。
この取り込む酸素の量を酸素摂取量と言います。
ですが、いつでもどんな時でも必要な酸素を必要な分だけ取り込めるわけではなく、酸素が足りない状態で運動しないといけないこともあります。
酸素が足りない状態とそのエネルギーの補い方
まず、運動開始してすぐには酸素をマックスに取り込めるわけではありません。
酸素摂取量は、運動開始から数分ほどかけて徐々に上昇していきます。
なので、走り始めは酸素が足りない状態で走らないといけないことになります。
また、最大の酸素摂取量には限界があります。
例えば、先ほどの例の人の酸素摂取量が150だったとします。その人が普通の200%のスピード走ると、200の酸素が必要なところを150しか取り込めないわけにあります。
この時も、酸素が足りない状態で走らないといけないことになります。
こんな時の酸素が足りない分のエネルギーはどうするかというと、無酸素性エネルギーで補うことになります。
では、なぜ運動後も息切れするのか
ここまで、運動中のエネルギーと酸素摂取量について話でした。
激しい運動を行うと酸素摂取量が徐々に増えて、より多くの酸素を取り込むために息が切れるようになります。
ですが、運動後にはもう酸素は必要ないはずなのに、それでも息が切れるのはそれではなぜなのか。
というところを解説していきます。
無酸素性エネルギーからの借金「酸素借」
運動し始めの酸素摂取量が足りない時間帯や、酸素摂取量の限界を超えるような運動では無酸素性エネルギーを使って補うという話でした。
実は、無酸素性エネルギーで補えればめでたしめでたしではなく、無酸素性エネルギーで補った分はエネルギーの借金のようなものになります。
なので、返済しないといけません。
なので我々は、できる限りは酸素を利用した有酸素性エネルギーを使って運動します。
ですが、どうしてもエネルギーが足りない時は無酸素性エネルギーを一旦借りることで激しい運動ができるようになります。
この、無酸素性エネルギーで借りた分を酸素借と言います。
無酸素エネルギーへの返金「EPOC(運動後過剰酸素摂取量)」
運動中に無酸素性エネルギーから借りた、酸素借は返済します。
運動後に息切れしている間は、酸素摂取量が平常時より高いままになります。
この運動後に余分に摂取する酸素の量を「EPOC」(運動後過剰酸素摂取量)といい、この運動後に必要以上の酸素を摂取することで酸素借を返済します。
具体的には、EPOCは無酸素性エネルギーを回復させるために利用される酸素です。
なので、無酸素性エネルギーで補った分(酸素借)だけの酸素を運動後に摂取するので、EPOCは酸素借とほぼ同じ分だけの酸素量になります。
この点、やはり借りた分は借りた分だけ返すということになります。
まとめ
以上が、運動後の息切れの原因となるEPOCの解説でした。
有酸素エネルギーで賄えない分のエネルギーは無酸素性エネルギーから借り、
この借りたエネルギー分のことを酸素借といい、
その借りた分を返さないといけので、運動後に余分な酸素をEPOCとして摂取して酸素借返済に当てます。
このEPOC(運動後過剰酸素摂取量)こそが息切れの原因でした。