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怪我で起こる組織の治癒・修復のメカニズム|炎症反応

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怪我をすると組織の治癒が起きます。
 
そのためには、まず炎症が起きます。
炎症は、損傷部位を治癒させるためになくてはならない身体のメカニズムです。
炎症が起こることで、治癒の過程が始まり最終的に組織を修復させることができます。
 
ということで今回は、
外傷による組織の炎症メカニズムについて解説していきます!
 
 
組織治癒の種類については以下をご覧ください。
 
 
 
 

炎症反応の過程は3段階

筋肉、腱、靭帯、関節包、骨などが外傷によって損傷を受けると炎症反応が始まり、組織の修復反応が起こります。
 
これらの組織は、組織の構造や損傷部位、損傷度合は違えど、
同じ炎症反応・修復反応によって修復されます。
 
その修復段階には、以下の3段階がある。
  • 炎症段階(Inflammatory Response Phase)
  • 繊維増殖段階(Fibroblastic Repair Phase)
  • 瘢痕成熟段階(Maturation-Remodeling Phase)
 

 
 

炎症段階

まず、炎症段階はさらに2つの段階に分けて説明できます。
  • 一次的炎症反応
  • 二次的炎症反応
 
 
一次的炎症反応
組織が損傷を受けると、血管が破損し出血が起きます。
この出血は、皮膚表面で現れない場合は皮膚からは見えませんが、実際には組織の内部や周辺の血管が破損し出血しています。
 
この出血と止血によって起こり反応が「一次的炎症反応」です。
一次的炎症反応では、「血管」「細胞」での2つの反応が同時に進みます。
 
血管の反応では、出血の影響によって
「滲出(組織液の流出)」「浮腫」「発赤(紅斑)」「発熱」が起こります。
 
細胞の反応では、止血のために
「白血球の増加(食作用)」が起こります。
 
この止血までの期間を一次的炎症反応の中でも急性炎症期といい、止血後は亜急性期と言います。
急性炎症期が完了しないまま損傷が繰り返されると亜急性期に移行できず、慢性炎症となります。
 
細胞での炎症反応で増加する白血球は、非特異的防御反応としても働いています。
 
 
二次的炎症反応
一次的炎症反応が起こると、同時に二次的炎症反応も起こります。
二次的炎症反応では、「痛み」「スパズム」が起こります。
 
これらは組織損傷に対する神経の反応で、痛みやスパズムによって可動域制限や筋力低下を起こして、損傷部分を動かさないようにする意図があります。
 
 

繊維増殖段階

繊維増殖段階では繊維性瘢痕形成、いわゆる瘢痕組織が作られます。
 
ここでは、瘢痕組織によって損傷部分を閉鎖してくっつけます。
この段階でできた瘢痕組織は、その組織の役割を果たしておらず、可動域制限や筋力の低下などの原因となります。
 
 

瘢痕成熟段階

繊維増殖段階で作られた瘢痕組織を次に、その組織の役割を担うように修正していきます。
 
例えば、筋肉の場合は、筋繊維の向きに繊維の向きを整えること、
また、繊維のコラーゲンの割合などを調整して瘢痕組織を弾性のある筋肉へと変換していきます。
 
瘢痕成熟段階が終了すると、組織の治癒過程が完了となります。
 
 

まとめ

今回は、外傷に対する組織の炎症反応と修復段階について解説していきました。
  • 炎症段階の一次炎症反応と二次炎症反応
  • 繊維増殖段階の瘢痕形成
  • 瘢痕成熟段階の組織への変換
 
以上です!
 
 
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