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組織治癒での合併症|拘縮・癒着・肥厚性瘢痕・ケロイド・慢性炎症

怪我しても、人間の体は大体は治癒できるようにメカニズムされています。 治癒のメカニズムには「再生」と「修復」のメカニズムがあり、 再生は、組織が細胞分裂することで治癒する方法で、 修復は、コラーゲンから瘢痕組織を形成し、組織を作り直す方法です…

瘢痕成熟段階での組織修復|コラーゲンタイプ・再配列・コラーゲン架橋

組織が損傷すると炎症が起き、多くの組織では組織の修復が起きます。 組織修復の段階には以下の3段階があります。 炎症段階 瘢痕形成段階 瘢痕成熟段階 今回は、瘢痕成熟段階について解説していきます。 外傷による組織損傷の治癒過程「再生と修復」【怪我の…

瘢痕形成段階のプロセス|線維芽細胞・コラーゲン合成・肉芽組織

怪我が起きると、組織の治癒が起きます。 ほとんどの組織は、「修復」と言われる治癒過程によって治癒され、 その修復の過程には以下の3段階があります。 炎症段階 瘢痕形成段階 瘢痕成熟段階 組織の治癒には、再生と修復の2種類があり、修復の大まかなメカ…

外傷による炎症反応|浮腫と白血球の働き・痛みのメカニズム

怪我をすると炎症反応が起き、それを機に組織の治癒が起きます。 以前、組織治癒の再生と修復の違いと、修復による治癒の全体のメカニズムについてまとめました。 外傷による組織損傷の治癒過程「再生と修復」【怪我の生理学】 怪我時で起こる組織の治癒・修…

出血と止血のメカニズム|止血栓・血液凝固・血餅代謝

スポーツをしていると出血は付き物です。 出血によってプレーできなくなるということはあまり多くはないですが、 時には出血が多く、止血が間に合うのかどうかという判断を行わなければならない場合があります。 また、その後に止血と組織修復を促すこともト…

外傷による組織損傷の治癒過程「再生」と「修復」の違い

スポーツなどで怪我をする、つまり組織が損傷すると組織の機能が失われます。 関節を固定しないといけない靭帯が緩くなったり、筋肉が筋力をしっかり発揮しなくなっている状態です。 これに対して、関節の可動域が少なくなったり、痛みによって筋力が発揮で…

ノルディックハムの効果は現場で期待できるか@北欧プロサッカーチーム

近年、ハムストリング肉離れの予防トレーニングとして「ノルディックハム」がかなり注目を集めていると思います。 前回、ノルディックハムの効果と問題点についての論文をレビューしておりまして、 そこでは、ノルディックハムには より伸展位で筋力が発揮で…

怪我で起こる組織の治癒・修復のメカニズム|炎症反応

怪我をすると組織の治癒が起きます。 そのためには、まず炎症が起きます。 炎症は、損傷部位を治癒させるためになくてはならない身体のメカニズムです。 炎症が起こることで、治癒の過程が始まり最終的に組織を修復させることができます。 ということで今回…

ハムストリング肉離れに対するノルディックハムの効果と問題点

ハムストリングの肉離れは、多くのスポーツでメジャーな怪我です。 加えて再発のリスクもかなり高いことから、スポーツ選手にとっては非常に厄介な怪我と言えます。 近年、このハムストリング損傷の再発リスクを抑える方法について近年、多くの研究が出てき…

ハムストリング肉離れの従来型リハビリの問題点〜エキセントリックが必要な理由〜

多くのスポーツ選手が経験する怪我といえばハムストリングの肉離れがあると思います。 サッカーではハムストリングの肉離れが最も多い怪我で、全体の12%にあたります。 また他の多くの競技でも、ハムストリングの肉離れは肉離れの中でもかなりメジャーな部…

【コリ回路】運動による乳酸の除去

みなさん、こんにちは。 糖新生に関係する重要な代謝の一連の流れで、忘れてはならないのが 「コリ回路」です。 そんなコリ回路ですが、激しい運動を行なってエネルギーを使った後にできる「乳酸」を使ってグルコースを作り直すシステムです。 つまり、「代…

食後・空腹時の血糖値の制御【グリコーゲン・解糖系・糖新生・ホルモン】

血糖値は脳や赤血球といった身体の重要な器官を働かせるために常に正常な値にしておかなくてはならないものです。 ですが、だからと言って血液中のグルコースをあまり使わないようにするというのも効率的ではありません。 そのため、私たちは血糖値が高くな…

空腹時の糖新生・グルコース-アラニン回路とは

みなさんこんちには。 糖新生について学ぶ上で「グルコース-アラニン回路」を忘れるわけにはいきません。 コリ回路ともよく比較されるグルコース-アラニン回路ですが、 「なぜアラニンなの?」 「コリ回路ではダメなの?」 と言う風に思わないでしょうか? …

肝臓・筋肉でのグルコーゲンの分解【経路・酵素】

みなさん、こんにちは。 多くのスポーツ選手が最も重宝しているエネルギー源こそ「グリコーゲン」です。 高強度の運動を頻繁に繰り返すアスリートにとって、グルコースをいかに利用できるかは非常に重要であり、 そのグルコースの塊であるグリコーゲンは非常…

肝臓・筋肉でのグルコーゲンの合成・分岐【経路・酵素】

みなさん、こんにちは。 近頃は、「ケトジェニック」なるものが巷で噂になっていますが、 私たち人間の最も使い勝手のいいエネルギーは炭水化物であることには変わりありません。 なぜかというと、その炭水化物は「グリコーゲン」として貯蓄される訳ですが、…

肝臓でのアミノ酸、脂質、乳酸の糖新生【生化学】

みなさん。 糖新生しているでしょうか。 糖新生とは、糖以外の物質から糖、正確にはグルコースを作り出すシステムのことです。 私たちは、この糖新生によって、血糖値をコントロールしています。 血糖値がある程度保たれてることは、脳や赤血球などに非常に…

アミノ基転移反応|アラニン・アスパラギン・グルタミン酸

みなさんこんちは。 アミノ酸は、糖原性アミノ酸とケト原性アミノ酸に別れて、それぞれエネルギー利用されたり、タンパク質として体内の様々な組織・ホルモンなどを構成しています。 このように、必要なタンパク質を必要な分作るために、私たちはアミノ酸を…

糖原性アミノ酸からクエン酸回路・糖新生への代謝【生化学】

皆さんこんにちは。 私たちは「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」をエネルギー源にして生きています。 炭水化物、脂質はエネルギー源として利用するメカニズムは、 グルコースの解糖系と、アセチルCoAのクエン酸回路と有名ですが、 タンパク質にもカロリーが…

ケト原性アミノ酸のアセト酢酸・アセチルCoA代謝への代謝【生化学】

みなさん、こんにちは! おそらくみなさんは、 「炭水化物」「脂質」「タンパク質」を三大栄養素として生きていると思います。 炭水化物は、グルコースとなって解糖系でエネルギー利用され、 脂質は、脂肪酸からアセチルCoAとなってクレブス回路でエネルギー…

解糖系の代謝速度は、3種類の酵素によって決められている【生化学】

みなさん、こんにちは。 私たち人間という生き物は、 いつもは、少ないエネルギーを使いながら平穏に暮らしていても、 激しい運動をするために、時には多くのエネルギーが必要になる。 そいう生き物だと思います。 そいうった、常に変わりゆくやっかいなエネ…

解糖系でのホスホフルクトキナーゼ(PFK)の役割【生理学・生化学】

みなさん、こんにちは。 私たち人間は、必要なエネルギー量に応じて ATP-PCr系 解糖系 酸化系 の3つのエネルギー供給系を使い分けています。 その中でも、多くのスポーツにおいて最も重要なエネルギー供給方法が 「解糖系」です。 なので、スポーツでより高…

【解糖系】ピルビン酸キナーゼによるリン酸化|活性阻害・アイソザイム

ピルビン酸キナーゼの役割 解糖系の代謝速度をコントロールしている酵素の1つ ピルビン酸キナーゼの活性と抑制 ピルビン酸キナーゼの種類 ピルビン酸キナーゼの役割 ピルビン酸キナーゼは、解糖系の代謝速度に関わる重要な酵素の1つです。 解糖系では、10回…

ヘキソキナーゼ・グルコキナーゼにの役割、阻害・活性要因、アイソザイム

解糖系代謝でのヘキソキナーゼの役割 ヘキソキナーゼは解糖系の代謝速度を調節する酵素の1つ ヘキソキナーゼには3種類ある ヘキソキナーゼとグルコキナーゼの活性の違い ヘキソキナーゼⅠ,Ⅱの活性と抑制 グルコキナーゼの活性と抑制 解糖系代謝でのヘキソキ…

身体のエネルギー源「アデノシン三リン酸(ATP)」が筋肉を動かす仕組み

ATPとは ATPが加水分解するとエネルギーが得られる ATPの加水分解 ATPの加水分解を促す「ATPアーゼ」 ミオシンATPアーゼ カルシウムATPアーゼ ナトリウムーカリウムATPアーゼ ATPとは ATPとは「アデノシン三リン酸」というヌクレオチドで、以下の3つの部分か…

素走りが有効な手段となることは金輪際ないのか。【素走り=悪?|後編】

このシリーズの前編と中編では、 間欠性トレーニングがスポーツに必要な能力をダイレクトに鍛えられる 素走りでも筋持久力なら鍛えられる。ただ効率的ではない という話をしてきました。 やはり、多くのスポーツにとって、間欠性トレーニングがメインのトレ…

素走りで筋力増加を感じたのは幻覚だったのか。【"素走り=悪"は本当?|前編】

トレーニング科学が発展したこのご時世。 部活などで昔からやっていた「素走り」は、多くのスポーツに求められる運動から外れるため効率的ではなく、 むしろ、間欠的トレーニングを取り入れるべきだということは、徐々にではありますが、一般的になりつつあ…

筋トレと持久性トレーニングの筋力・テストステロン・コルチゾールへの影響

要旨 Eleven subjects (6 M, 5 F) strength trained 3 times a week for 16 weeks, and 22 subjects (14 M, 8 F) did likewise while also performing endurance training 3 times a week on alternate days. All variables were tested every 4 weeks for 1…

スポーツには間欠性トレーニングがベストなワケ【"素走り=悪"は本当?|前編】

近頃は、スポーツ科学・トレーニング科学の発展によって、「素走り」は多くのスポーツにおいて効率的ではないことが認知されるようになってきました。 例えばサッカーでは、数秒程度の瞬発的なスプリントを繰り返すことがスポーツの特徴的な運動になります。…

3種類の運動強度による唾液コルチゾールへの効果

要約(原文) 方法 結果と考察 個人的解説 論文概要 要約(原文) Changes in cortisol concentration in response to exercise at 3 different intensities were quantified. Ten apparently healthy, recreationally active males participated. On 4 sepa…

アクティブリカバリーは実はエビデンスない?|筋損傷への効果

スポーツ現場でよく用いられるリカバリーの筆頭株主。それはアクティブリカバリーではないでしょうか。 ニュースなどで、 「日本代表合宿の初日はリラックスしたムードで軽い運動での調整を行いました。」 って言われている時に、行われている「軽い運動」こ…

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